逮捕協力事例

2008/01/09『スーパーモーニング』テレビ朝日で放送された盗聴犯の逮捕について

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2007/12/13に車で盗聴電波を捜索していた時、アパートの一室にある女性宅に盗聴器が仕掛けられている事を確認しました。

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盗聴器が仕掛けられている部屋を特定しましたが、住人が不在で帰りを待っていると、ドアノブだけを触って立ち去る怪しい男を偶然目撃しました。

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その2時間後、路上で男女が口論をしていたので確認すると、男はさっきドアノブを触って立ち去った男とよく似ていました。
明らかに女性は嫌がっている様子でした。

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一旦、男女が見えなくなった後、今度は女性と警察官3人がアパートにやってきました。
その日は深夜になってしまったので、翌日に女性宅を訪れることにしました。

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女性に盗聴器が仕掛けられていることを話すと、2週間前にも別の盗聴器が仕掛けられていたことが判明。
その時は別の番組で他の業者が撤去したとのこと。
今回は2度目ということもあり、女性は自分が留守の間に元彼が部屋に侵入している可能性があると言っていました。
話を聞くと昨夜の男が元彼だそうで、半年以上も前に別れているのに、執拗に電話やメールをしてくるということで着信拒否をしていたら手紙を何十通も投函したり、昨夜のような待ち伏せをするようになったと言います。
盗聴器の場所を特定していくとソファーベッドの中に電池式の盗聴器が仕掛けられていました。

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こういったケースは自主的にやめることは考えられないので、我々が介入してやめさせることにしました。
まずは部屋の中に侵入している証拠を押さえないといけないので、女性に協力してもらい、証拠を押さえる為のカメラを部屋に設置しました。
入ってくる瞬間を押さえる為のカメラを部屋の入り口に1台を向け、盗聴器を仕掛けた犯人にしか知りえないソファーベッドの中に手を入れられる場所に1台を向け、合計2台を設置しました。

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設置から5日後、元からの姿が映し出されたので、弊社の事務所に番組スタッフに来てもらい、映像を確認してもらいました。
2台目のカメラには盗聴器を探す為にソファーベッドの中へ手を入れている瞬間が映し出されていました。

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全て証拠が揃った段階で、女性から元彼を呼び出してもらうことにしました。
先に我々が話を聞き、全ての証拠を突き出すと、元彼はストーカー行為から盗聴器を仕掛ける為の住居侵入などの犯行を自供しました。
その後、被害者の女性は家族との話し合いの結果、元彼を警察に突き出すことを決意しました。
その日の夜、盗聴犯は逮捕されました。

被疑者の供述

平成18年9月に被害者女性と知り合い交際が始まった。
平成19年の夏に女性から別れを告げられ、未練が残り8月~9月に初めの盗聴器を仕掛ける為に被害者女性宅に合鍵を使って侵入をした。
合鍵は別れた時に返してもらったが、被疑者がコピーを所持していた。
平成19年12月に仕掛けた盗聴器が外された為、再び侵入しソファーベッドの中に電池式の盗聴器を仕掛けた。電波が切れた事から回収に入ったところを防犯カメラに撮られてしまったとの事。

公判

平成20年2月19日に東京簡易裁判所で初公判が行われました。
平成20年4月22日に東京地方裁判所で第二回公判が行われました。
罪名 住居侵入 電波法違反
求刑 懲役1年6ヶ月

判決

平成20年5月15日に東京地方裁判所で判決が出されました。
懲役1年6ヶ月 執行猶予3年
裁判で被告が証言した内容は被害者女性の証言と食い違っている箇所も多かったのですが、裁判長は被害者女性の証言と照らし合わせても被害者女性の証言の方が筋が通っていると被告に告げると被告は言葉を詰まらせる場面もありました。
被害者女性は『裁判というのは真実が述べられる場所かと思っていた』被告の嘘の証言に対し怒りを隠せない様子でした。
今後、民事で争うことも考えていると言っていました。
判決は求刑通り1年6ヶ月となりましたが、初犯ということもあり執行猶予がつきました。
今回の事件は弊社が取り扱った中でも長い裁判でした。
その理由として盗聴器に関する事件で初めて住居侵入と電波法違反の二つの容疑で裁判が行われたということが挙げられます。
この盗聴犯はストーカー規正法でも警告を受けました。